フランチャイズ本部の法的トラブル。80件の実例から見えてきたものは!
フランチャイズ本部を目指している企業経営者がしばしば不安視するのは、「フランチャイズならではのトラブル」だと聞きます。
加盟店からの訴訟があるのではないか?
フランチャイズはトラブルがつきものではないか?
等、普通の企業経営を行う上では経験しないようなトラブルに巻き込まれる可能性を知り、不安視することがあるといいます。
今回、過去のフランチャイズの法務トラブル経緯を分析してみたところ明確な傾向が見えてきました。
傾向が分かれば対策もわかる。ほとんどが事前に回避できるトラブルであることも分かりました。
私たちアセンティア・ホールディングスは、1990年以降、30を超えるフランチャイズブランドを日本中に広げてきた経験を持つ者が経営しています。国内だけでオープンしたフランチャイズは8000店舗を超えています。その経験の中から、今フランチャイズを展開している皆さんのお役に立てる情報を発信しています。
ここにあるのはフランチャイズにまつわる法務トラブルの会議資料だ。
トラブルに対しての対処を論じる会議の資料から80件のフランチャイズトラブルの傾向について分析してみた。
先ず大きなカテゴリに分類してみた。
それぞれについて、細かく見ていきたい。
フランチャイズ加盟店の業績にまつわる原因がこれ。
事前に本部が予測した売上に到達しない、経費が予想以上にかかるなどの理由で加盟店の収益が事前予想を下回るなどと言う問題だ。
加盟店としては、起死回生のつもりでフランチャイズ加盟するケースもあり、業績に関しては最もシビアといえる。
しかも業績不振の原因を、本部の業態の未熟さに求めるケースがあります。
業績不振の原因として、本部が行った立地診断をもとに問題となるケースです。
加盟店はフランチャイズ加盟する業種での経験が無いので、本部が立地判断をして出店したその判断の正しさを訴求してくることです。本部に明確な判断基準がある場合でも、当該立地における判断基準となるデータをどのように収集したのか?等が問われることがありました。(前面通行量の数字の収集を本部がするのか?加盟店がするのか?など)
これはどの時代でも結構問題になっているケース。
フランチャイズ本部の経営目標として加盟件数を上げるケースが多く、加盟店への説明時のトークが過剰になるケース。
売上予測、安易な加盟誘導、「上手くいなかったら・・・」という補償めいた発言が後々問題になっていることが多いことも判明。
フランチャイズ契約には、運営する店舗物件を見つけてから契約するケースと、物件確保の前に契約をするケースがあります。それぞれに長所がありますが、企業がフランチャイズに契約する場合等は、一店舗のみではなく多店舗展開を前提にするケースも多く、物件確保の前にテリトリーを確保するためにフランチャイズ契約を先行するケースがあります。
不動産物件が見つかるか見つからないは、フランチャイズ毎に定められる立地基準もさることながら、加盟側の与信によって不動産所有者(大家さん)の了解が得られずに不動産確保が出来ないこともあり、一概に本部に意見することではないのですが、現実に物件が見つからないことを原因に法務トラブルになるケースが見られます。
フランチャイズには加盟店のテリトリーを明確に定めるケースと、テリトリーを定めないケース、定めるにしてもその定義があいまいなケースがあります。
フランチャイズ本部が展開初期の場合、自身のフランチャイズの拡大可能性について正しく見通せることが出来ず、市場は十分あるのに加盟店が幾つかしかないケースなどに、直営や他の加盟店にその市場への出店を認めるケースがあります。
その際に、既存加盟店のテリトリーの定義を明確に定めて契約書に記載していないと、後のトラブルにつながっています。
あいまいな口約束が非常に問題です。
「本部がやるべきことをやらない!」という類の問題。
加盟店と本部の役割分担や責任区分をきちんと定めていないと、起きやすい問題です。
加えて、フランチャイズに対する加盟店の期待が大きすぎるなど、何もかも本部の言うとおりにすればよいと加盟店が思っていると、発生しやすい問題ともいえます。
加盟側の言い分に無理があるケースで、本部とのトラブルに発展することがあります。
私たちは重要なのは「フランチャイズ・シップ=Franchise ship」だと思っています。
(このカテゴリの問題は様々な見方があるので、ここでの言及は避けます)
このような問題を、どのようにすれば、事前回避できるか?アセンティア・ホールディングスに相談してみる?
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