アフリカの若者の消費傾向が日本食ビジネスに新しい可能性を開く鍵となるかもしれません。
アフリカは世界で最も若い大陸であり、総人口の約60%が25歳以下です。この若者層は購買力を持ち始めており、消費傾向の変化が注目されています。特に都市部では、外食への関心が高まっており、新しい食文化を取り入れる意欲も見られます。
若者たちの消費傾向は、SNSやインターネットの普及によって急速に変化しています。彼らは新しいトレンドや異文化への興味が強く、日本食のようなエスニックフードもその対象となり得ます。このような背景から、アフリカの若者層は日本食ビジネスにとって魅力的な市場となる可能性があります。
フードビジネスの成長が若者人口に影響をされることは明白で、日本の外食産業の市場規模の推移は、日本の生産年齢人口(15~65歳人口)のカーブと一致しています。
アジアの諸国の現状はどうか?というと、以下の通りです。中国は最早人口減少が始まり、ベトナムもベトナム戦争後のベビーブーマーやそのジュニアの影響と少子化は深刻化しており、フィリピンやインドネシアに至っても明らかな少子化傾向がみられます。
日本食はその健康志向や美食文化で世界的に評価されています。寿司やラーメン、天ぷらといった料理はすでに多くの国で人気を博しています。アフリカ市場においても、日本食の健康的なイメージは特に若者層に受け入れられやすいでしょう。
また、アフリカの特定の地域では、魚介類や野菜を多く使用する日本食のスタイルが地元の食文化と親和性が高いです。これにより、日本食は現地の食材を活かしつつ、独自の魅力を発揮できる可能性があります。
アフリカの多くの国々では、若者の雇用機会の創出が社会的な課題となっています。日本食ビジネスはこの問題解決に貢献できる可能性があります。例えば、日本食レストランのチェーン展開やフランチャイズでの展開は、多くの若者に新しい仕事の機会を提供できます。
さらに、日本食の調理技術や接客サービススキルの習得は、若者たちにとって貴重な職業訓練となり、彼らのキャリアアップにも繋がります。これにより、若者の雇用促進と日本食ビジネスの成長が相乗効果を生み出すことが期待されます。
同時に日本での就労機会の提供も出来れば、日本の課題解決にもつながります。
アフリカ市場で成功するためには、現地の文化や消費者ニーズを深く理解することが不可欠です。
まずは市場調査を徹底し、ターゲット層の嗜好や食文化を把握することが重要です。また、現地のパートナー企業と連携し、信頼関係を築くことが成功への鍵となります。
さらに、現地の食材を活用しつつ、日本食の本格的な味を提供することで、消費者の満足度を高めることができます。マーケティング戦略としては、SNSを活用したプロモーションやポップアップイベントの開催など、若者層にアピールする手法が効果的です。
私たちアセンティア・ホールディングスは、アフリカからの留学生を対象に、好きな日本食調査を行っております。2019年の初回実施の際の好きな日本食のTop10は以下の通りでした。
選択肢が24ほどある中で緑茶は最後から二つ目の選択肢であったのですが、半数の留学生が「最高!」の評価をしました。
そして、それが大きく変化してきたのが、この5年です。結果が以下のグラフです。半数を超える留学生が上位3つの日本食を「最高!」と評価しています。
アフリカ市場はまだ開拓されていない分、日本企業にとって大きなビジネスチャンスが眠っています。特に日本食ビジネスは、健康志向や新しい食文化への関心が高まる中で、その魅力を発揮できるでしょう。
しかし、一方でリスクも存在します。政治的・経済的な不安定要素やインフラの未整備、文化の違いなどがビジネス展開の障壁となる可能性があります。これらのリスクを十分に理解し、適切なリスクマネジメントを行うことが重要です。
アフリカのような未開拓の市場を開拓する戦略として重要視されるのがフランチャイズ戦略です。高度経済成長期の日本市場にマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンなどのフードビジネスがアメリカから参入しましたが、全てフランチャイズビジネスとしての日本市場への上陸でした。
それぞれのブランドを理解し、尊重する日本側のパートナーの存在が大きかったことは歴史が証明しています。
アフリカ戦略に関しても同様に考えられるのではないでしょうか?