フードビジネスの海外展開の話題が増えているが、そもそも海外展開する際はフランチャイズやライセンス契約を駆使して、現地の企業に経営を委ねるのが世界の常識です。
直営で展開するというのは世界中見ても非常に成功確率の低いビジネス展開方式であることは、歴史が証明しています。
日本でおなじみのこれらのブランドは皆、フランチャイズ契約やライセンス契約で海外から持ち込まれ、日本企業の経営によって日本中に広がり、今や生活の一部になっているのではないでしょうか?
方や、欧州ではトップブランドのこれらの小売店は、直営または既存日本企業を買収して、外国企業として外国人が経営者として日本で展開を開始し、何れも現在は存在しません。
独特なマーケットであるJAPANを、青い目の経営者では難しかったという評価がされています。
同じことを、日本企業の海外展開でも言えるのです。
どんなにハワイが好きでも、タイが好きでも、地元企業経営者の方が現地のマーケットは分かっていますし、物件を借りるのも、人材を採用するのも、役所への届け出も外国企業として行うのと、地元企業と行うのでは点ほど違います。
郷に入れば郷に従えを、リアルに展開するのが海外フランチャイズだとも言えるのです。
ところで、前述のフランチャイズやライセンス展開をしている企業の世界での経営実績を見ると、凄いことが分かります。
これらは、McDonald'sとStarbucksの開示している会計資料から抜き出したものですが、それぞれフランチャイズ(ライセンス)加盟店からの売上(加盟金やロイヤルティ)の総額が年間2兆1800億円、6400億円だというのです。
STARBUCKSは、彼らのグローバル展開の最初の国が日本でした。選んだ加盟店はアフタヌーンティー等を経営していたサザビー。日本上陸から20年近くはライセンス契約としてサザビーが日本という独特のマーケットを攻略して出店を進め、その後にアメリカの100%子会社になりました。サザビーは20年近く、店舗運営での収益を上げたうえで最後は株式売却で500億円のキャピタルゲインを得ています。
本部にとっても加盟店にとってもWinWinであったのでは無いでしょうか?
McDonald’sにしてもSTARBUCKSにしてもセブンイレブンにしても、独特の日本市場を攻略できた鍵は、日本側の会社の経営者の力であったかと思います。
本部側から見ますと、選んだ加盟店経営者が素晴らしかったというコトだと思います。
私たちは、国内で35年、海外では15年のフランチャイズビジネスの経験がありますが、フランチャイズの成功要因は一つしかないと思っております。
それは、誰と組むか?です。
主体的で意欲的で加盟店と出会えば、素晴らしいフランチャイズになりますし、他責(うまく行けば自分の手柄、失敗したら誰かのせいにしなければ気が済まない)の加盟店と組んでしまうと、あまり良いフランチャイズにはなりません。
フランチャイズ加盟店選びが重要なのは、そのような事情によります。
私たちはそれをフランチャイズシップがある加盟店と呼びます。
Franchise Shipのある加盟店と出会う方法については、また別の機会にお話ししたいと思います。
関連情報 「Franchise Ship (フランチャイズ シップ)」に則って! https://blog.assentia-hd.com/ceo-blog/20150808