アフリカの外食ビジネスの可能性について~ケニアで60店舗展開しているカフェチェーンの商品価格は日本とほぼ同じという事実
9月初旬からアフリカのケニアに10日間滞在しました。
ケニア出張の主目的はセルフサービスランドリーの開業支援だったのですが、当然、その過程で食事をします。ランドリーの開業場所が首都ナイロビから北へ20KM(車で30~40分)の街で、超ローカルな街です。そこで朝から夕方まで仕事をしますので、当然食事やお茶の時間をとります。
または、その道中のロードサイドの飲食店にも寄ります。
今回は、そのようなローカルの外食事情をお伝えします。
上の写真は、ナイロビから北に20キロほど離れた隣接都市のKiambu郡のローカル飲食店でのランチです。5名でしたので、コンボでミックス料理を注文しました。
そもそもこのKiambuには、中国人すらおらず、アジア人の私たちを住民の方々は物珍しく見るという感じでした。観光地でもないKiambuには、外国人相手の飲食店もあません。
この店には明確なメニューブックがあって、そこから注文しました。
肉のコンボは2400KES、魚は400KESです。合計2800KESで、ミネラルウォーターを人数分注文して、合計3250KESでした。1KESは1円から1.15円ですので、3,737.5円を5人で割ると747.5円となります。日本でもあり得る価格です。
続いては、やはりナイロビ中心部から東へ15キロほど車で走ったKayoleという地区。行政区分ではナイロビ市に属しますが、ローカル食あふれる街です。
この街にもアジア人はおらず、私たちが街を歩くと珍しそうに見られました。
そんな街の食堂でランチを食べました。出来合いのオカズから3品4品選ぶという形で、写真のランチは、付け合せのトマトスライスとフルーツのデザートが着いて600KESでした。690円というところです。
ケニアだけでなく、アフリカの他の国でもそうなのですが、ローカルの方々向けの一般食堂の価格は、少なくとも東京レベルだと感じます。
お気づきの皆さんも多いと思いますが、東京と日本の地方都市では、地方都市の方がランチ価格は高いです。これは競争状態の問題だと思いますが、競合の多い東京ではランチ価格は比較的低価格に抑えられる傾向があります。
アフリカのチェーン店事情
上記でご紹介しましたのは、個人店のケースです。
チェーン化された飲食店をご紹介しましょう。
ケニアに5店舗のファミリーダイニングレストラン
2店舗で3回食事をしたことがありますが、立地はどれも非常に良い立地でした。
最初に利用したのはKilimaliという街のど真ん中。東京で言うと表参道という感じでしょうか?住宅地としても人気で、高級スーパーやモールが立ち並びます。その中の商業施設の中に立地します。店舗面積は250㎡程度。
もう一つの立地は、Village marketというケニア随一の外国人居住者に大人気のショッピングモールの中。こちらの店舗は優に400㎡超えの広々店内でした。モールの店舗に訪問したのが日曜日ということもあり、食事の終わり頃の時間には、あちこちで店舗スタッフの歌声が。そうBirthday DinnerのDesertタイムにスタッフが誕生日を祝う歌を歌ってローソクの着いたDesertを運ぶという、あの光景が随所で見られました。
ハレの日利用のファミリーダイニングだと改めて認識した次第です。
お会計は7名で25,700KES。一人当たり4,222円です。
この日は昼ご飯が遅く、お腹の空いていなかった者が数名いたので、2名はスープだけの注文。かつこのレストランは酒の提供をしておりませんので、純粋に食事の価格がこちらです。
ハレの日ディナーレストランが客単価4000円でケニア全土に5店舗というのは、理解できるのですが、驚いたのがケニアに60店舗展開しているArtcafeです。
郊外にも多く立地しており、業態としてはベーカリーカフェでしょうか。
ランチタイムに伺ったのですが、ランチ単価が2000円です。この店舗が60店舗もケニアにあるのです。
創業は2008年。個人経営で多店舗化を進めてCK化を推進し、2018年にファンドが過半数の資本を入れてチェーン化を更に加速しました。
メニューブックを全ページ撮影してまいりました。一部を掲載します。
これが現実です。
かつて、昭和40年代50年代の日本がそうであったように、グローバルサウスの国々もまた、高度経済成長を経験してまいります。
日本の、日本のフードビジネスの立ち位置を今一度見直す時期にあるように思えます。
ご相談ください。