大手チェーンが「採算が合わない」と手を引く地方小商圏で、なぜASSiST24は会員を増やし続けるのか。投資2,000万円・スタッフ1名・月固定費60万円という小さな構造で、開業2か月で損益分岐点を突破した事例が続出している。中小企業経営者の新規事業として、これだけの実績を持つモデルは珍しい。
全加盟店の最新データを見ると、地方の小商圏店舗がトップを占めるという驚きの事実がある。地方尾都市の店舗が、神奈川県の25万都市と肩を並べているのだ。
| 順位 | 店舗名 | 2025.11月 | 2026.3月 | 市の人口 | |
| 1 | ↑ | 松江店 | 452名 | 653名 | 20.3万人 |
| 2 | ↓ | 平塚河内店 | 641名 | 642名 | 25.7万人 |
| 3 | フレスポ豊後大野店 | 452名 | 480名 | 3.3万人 | |
| 4 | ↑ | 宮崎西都店 | 2.8万人 | 385名 | 2.8万人 |
| 5 | ↓ | 沖縄八重瀬店 | 388名 | 349名 | 3.1万人 |
3〜5位はすべて人口3万人前後の町。都市部の大型店と同等の会員数を、地方小商圏で達成している事実が、このビジネスモデルの本質を物語っている。
私の従兄弟が経営する鳥取県米子市の呉服屋が、新規事業としてASSiST24に加盟。2025年9〜10月に境港市・安来市で2店舗を連続オープンした。
境港店は、開業半年となる2026年3月には280会員を突破し、年末350会員を目指しているという。
境港市役所前店(1号店)人口3万人の閉鎖商圏。地元の本屋跡地を活用。開業日の時点で入会意向者が200名を突破。支払い済み会員数でも、わずか2か月で損益分岐点(150名)をクリア。5か月で280会員突破。 |
入会経路の内訳Instagram広告と口コミが各34件と同数。口コミ・紹介を合算すると全体の1/3以上が自然発生の紹介。地域密着の証左といえる。 |
会員の居住地分布半径1km未満が48%、2km未満で63%、3kmまでで82%。まさに「近所のフィットネスクラブ」として機能している。 |
地域密着スタッフの力境港スタッフの田中さんは58歳の地元出身者。店舗から100m圏内に居住。地域愛のあるスタッフが、地域になくてはならない場所をつくっている。 |
エニタイムフィットネスの初期投資が8,000万〜1億円であるのに対し、ASSiST24は約2,000万円。同じ資金でエニタイム1店舗より4店舗展開できる計算になる。スタッフは1名のみのワンオペ体制で、未経験の女性スタッフが繁盛店を回している事例も多い。
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2,000万円
初期投資の目安
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1名
必要スタッフ数(ワンオペ)
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150名
損益分岐点の会員数
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大学生もOLもいない地方に確実に存在する2つの層が、ASSiST24の主要顧客だ。午前中はカーブスのように高齢者(特に女性)が利用し、夕方以降は若い男性が集まる「二毛作」モデルが成立している。
若者層(高校生〜20代男性)リクルート調査(2015年)で、男子高校生が「卒業後に利用したいサービス」の1位が「ジム・フィットネス」。自分を鍛えることが若者のモテアイテムになっている。 |
シニア層(60歳以上)カーブスがシニア女性向けで急成長した事実が示す通り、高齢者の健康ニーズは旺盛。ASSiST24は男女・年齢を問わず取り込むことができる。 |
多くのフィットネスジムが「幽霊会員(会費を払いながら来ない会員)」を収益源とする中、ASSiST24は創業当初から真逆の方針を掲げている。会員が積極的に通うことで口コミが生まれ、地域コミュニティとして機能する——この好循環が、人口の少ない地方でも高い会員数を維持する根拠になっている。
「お客様とお店をつくる、という感じなんです」
— 大分県日出店スタッフ・堀さん(54歳女性、元コンビニ店員)
ASSiST24本部・石川社長は元高校球児。大怪我で野球を断念した後、整骨院を独立開業し全国トップクラスの業績を築いた。しかし「元気になると客が来なくなる」整骨院の構造的矛盾に気づき、「整骨院に来なくても良い状態を維持できる場所」としてASSiST24を創業した。
その後、欧州フィットネス視察でオランダの事例に触れ、「地域のコミュニティとなるフィットネスクラブ」こそが目指すべき姿だという確信を得た。単なる運動施設ではなく、町の一部として機能する場所。これがASSiST24の本質的な強さの源泉だ。
ASSiST24は単なる新規事業にとどまらない。自社社員に福利厚生として安価・無料で利用させることで、採用力強化にもつながる。人材採用難が数十年単位で続く構造問題に対し、報酬以外の価値を提供できる手段として注目されている。
| 初期投資の内訳(目安) | 月次固定費の目安 | |
| 加盟金 250万円 | 家賃 20万円 | |
| 設備費 880万円 | 人件費(1名) 30万円 | |
| 内装工事 550万円〜 | その他 10万円 | |
| 合計 2,000万円〜 | 合計 60万円〜 |
月会費4,800円(税別)×150名=月商72万円で損益分岐。2023年以降の新規開業店舗では、3か月以内の損益分岐達成が標準となっており、2か月での達成事例も続出している。