フランチャイズ、多角化・新規事業案件

米粉ドーナツ&農ある宿~田万里家

作成者: 松本信彦|2023/05/27 5:51:17

インバウンド観光客が増加しています。日本国内向けでも観光に対する注目が増しています。そんな中、「うちは観光地でも無いし…」という嘆きの声をしばしば耳にします。

しかし、この田万里家ビジネスを見ると、観光地だから観光ビジネスが出来るのではないことが分かります。

日本中どこでも観光地 地元愛があれば、どこでも超一級の観光地

 

由緒の無い神社・寺は無い

どんな土地にも歴史があり、それを知るだけで、素晴らしい観光になる。

田万里家は、多分それを狙った訳ではないと思うのですが、素晴らしい観光のノウハウを身に着けた米粉ドーナツ店併設宿泊施設です。

どんなビジネスなのか?ご紹介いたします。

 

地域に愛される商売としての米粉ドーナツ

「田万里」という地名から、「お米」を原料としながら、子どもから大人まで楽しめる食べ物を探究するなかで、米粉ドーナツに行きついたとのことです。
身体のことを第一に考え、出来るだけオーガニックな素材を使用し、保存料や着色料不使用。油も参加しにくい米油を使い、水も酸化還元電位が世界最高峰の水素水を使用した独自の製法のドーナツは、地方の田舎立地にもかかわらず月商500万円を超える売上を上げています。

来店客の大半は地元の60歳以上の方々。その方々が510個とお買い上げいただいています。月商500万円以上をコンスタントに実現。その裏には、ち密な地域マーケティング活動があります(後述)。

(この米粉ドーナツで安定した収益を確保しています)

 

米粉ドーナツ+農村宿泊

この田万里家のビジネスモデルが魅力的なのは、平日もコンスタントに集客できるドーナツ店をカフェ併設で保有しつつ、その同一建物で宿も行うということ。

宿だけでは、宿の予約の無い日の従業員の問題が出てくるが、ドーナツ店で常時雇用が確保されている。

 

 

 

先ず理解してもらう とことん

田万里家の宿のビジネススタイルはチェックインから特徴的です。チェックイン時に、この田万里家が出来た経緯を紙芝居で説明するのです。

何故ここ田万里なのか?何故宿を作ったのか?そして、何を目指しているのか?を紙芝居で説明します。今はオーナー自らが行っていますが、紙芝居にすることで、オーナー自身でなくても誰でもが行える重要な儀式になります。

とことん理解してもらうことは、米粉ドーナツビジネスでも実践していることでもあります。それは、周辺住民への手書きの手紙を毎月書くということです。
新参者として集落に舞い降り、米粉ドーナツと宿を開業した自分のこと自社のこと商品のことを、手書きの手紙として毎月配布しているのです。(集落の回覧板に乗せて配布)新参者を遠巻きに見る、その相手から手紙が届く。そして理解して、ドーナツのファンになってくれる。至極まっとうな正直なマーケティング手法だと感心します。

 

地元愛溢れる地元ツアー

チェックインの後は、宿の周辺の散歩です。

散歩といっても約1時間。地域の歴史の説明を受けながらの散歩です。気付けば1時間が経っていたという感じです。

宿の立地する田万里の説明に始まり、古びた神社の歴史と今の説明。

現存する神社であれ、寺であれ、全てに歴史があるわけで、その歴史を知るだけでも非常に興味深いことです。日本中どこにでも古くからの神社や寺があり、そこにはかつてにぎやかだったころのその地区の歴史にまつわる逸話が幾つも眠っているのです。

神社参拝の後は、裏山に入りました。裏山には季節に応じた自然があり、昔の道標も何もかもが観光のツールになります。

子どもが少なくなって廃校になった小学校。鉄筋コンクリート造の立派な建物を前に、ピーク時の姿に思いを馳せ、廃校にまでなった現状を振り返る。このことだけでも観光資源です。

 

 

エアコンが一台も無い田万里家

F-CONという遠赤外線を利用した冷房暖房のシステムを導入していますので、エアコンが一台もありません。F-CONは大変省エネで、最新型のエアコンと比して50%の電気代で快適に過ごせます。実際に田万里家の20232月の最も寒かった月の電気代はトータルで8万円でした。(宿とドーナツ、延床200平米)

   

男女が一緒に入れるミストサウナ

この宿には、浴槽がありません。浴槽の代わりに「ミストサウナ」を提供しています。

しかもF-CON同様に遠赤外線の力を持った水を熱してミストにしていますので、室温42度で高温サウナ並みの体感が得られます。

弊社代表のサウナー土屋晃も、このミストサウナには驚いておりました。

ミストサウナにはポンチョを着て入ります。1日一組限定の宿なので、男女がポンチョを着て一緒にサウナに入ることが出来ます。42度なので、息苦しくもなく、サウナに入りながら意見交換もできる、ちょっとした会議室です。

6名定員のミストサウナと鍵のかかるシャワー室が2つ。宿としてはダブルルーム2部屋と8名定員のドミトリーが1室の最大定員12名)

 

(写真は、土屋晃)

スタッフも一緒に囲む大皿料理の夕食

とことん理解してもらう究極が、相互に理解が深まる食事のひとときです。

一日一組のメリットを生かして、夕食は田舎料理を大皿で提供し、かつスタッフも一緒に夕食をいただきます。

素朴で豊かな農村の暮らしを体感できる「みんなの家」。⽥万⾥家(たまりや)FARM STAYを体現する夕食の一幕です。

オーナーやスタッフがお客様に伝えたい思いなどを、夕食の場で時には杯を傾けながら語ることも出来ます。

 

 

ビジネスモデル

「米粉ドーナツで平日の集客も可能なカフェ併設の宿泊ビジネス」

  • 田舎でも月商500万円を売る米粉ドーナツによるベース収入
  • 一組限定とすることで実現できるホスピタリティ
  • どんな場所で観光地化することが出来る本部ノウハウ
  • ヨソモノでも地域に溶け込めるマーケティング術

 

 

必要人員

・ドーナツ 2.5名~、宿泊1名

 

投資情報

総投資 4000万円~6000万円~1億円 (改装既存構造物の断熱構造による)

収益情報

・宿泊:1泊3名様まで6万円(4名様以上@15,000円)

・ドーナツ:単価プレーンなもの250円・280円。トッピング280~340円

 

参考情報= 健康になるホテル。GREAT MORNING https://blog.assentia-hd.com/fc/greatmorning