先月号(2021年7月15日号)において、「人口構造の変化に注目せよ」という特集を発表させていただきました。>>https://fc.assentia-hd.com/franchise-now-202107
釈迦に説法でございますが、先の見えない時代において、唯一の予測できる変化が「人口動態」「人口構造」であることは、かの経営学者ピーター・F・ドラッガーも複数の著書の中で論じておりました。
事実、日本の過去のビジネスの盛衰を見ても、日本最大の人口ボリュームゾーンであった「団塊の世代」を追いかけていることが良く分かります。
団塊世代の学生時代に映画館やボーリング場が流行り、結婚時代には住宅産業や自動車産業が伸ばし、クルマで家族で出かける場所としてのロードサイドレストランなどが、団塊世代の世代変化によって成長したものです。
私自身としても、1990年代のサンマルクはまさに団塊世代を狙い、牛角は団塊ジュニア世代を、そして女性フィットネスカーブスでは再び団塊世代を狙って業態開発をして参りました。
コロナ禍という世界同時多発的な異常事態を迎えている今。新型コロナで人口構造が変わるのか?というと寧ろ逆で、2020年はコロナ禍の影響で、人々がマスクとうがいを徹底したことによってインフルエンザ等の罹患が減り、死亡者数は大きく減少し人口減少スピードが弱まりました。テレワークの普及で大都市中心から地方へと人口移動が起こっておりますが、大勢に影響を及ぼすまでには至っていないのが現状です。つまり、人口構造の変化から近未来を予測するのは、今の段階でも妥当と判断できるものです。
先月号では、
・大都市部(首都圏+政令指定都市)では、常に若者(高校卒業世代)の流入が地方からあり、現役世代中心の人口行動は変わらず変化する
・地方は、高校生までの人口と、団塊世代並びに、団塊ジュニア世代の山がある
ことを、グラフを用いてご説明いたしました。(下のグラフは代表的な例として示しています。横にスクロールしてください)
過去においては、「東京で流行ったものが地方でも数年遅れで流行る」という現象であったものの、人口構造(人口ピラミッドの形)の差異が今後は一層顕著になるので、過去の常識が当てはまらなくなることが想定されます。
要注意なのは、フランチャイズ本部の企画開発系の方々が東京など大都市圏の需要にばかり目が行っていると、そこで開発されるメニューや企画、業態は大都市部でしか通用しなくなる可能性が、今まで以上に顕著になるということです。
東京中心で発想するFC本部に要注意ということです。
地方で加盟店展開される場合は、「我が地域は!」という明確な意見を以て、本部陣営と議論をする必要があると思います。
前置きはこれくらいとして、地方で重要性を増す「高校生までのマーケット」に注目をしてみたいと思います。
高校生は何を欲し、何におカネを使うのでしょうか?
ご自分の高校生時代を思い出していただくと、部活、異性、進路の3つが大きなカテゴリでは無いでしょうか?
部活(もしくは趣味)
異性
進路
人によって優先順位が変わるものの、大きくは変わらないと思います。
スマホ、インターネット
です。当時は雑誌やテレビでのみ情報が入ってきました。編集者の意図によって整理された情報のみを受け取っていたのが、当時の高校生でした。
今はどうでしょう?SNSによって編集されない情報が、東京から世界から直接に飛び込んでくる時代になりました。それによって、欲するもの(欲望)も、東京も地方も関係なく、一律で欲しいものへとなっている様相です。
今回、ご紹介するのは、リクルート社が調べた「高校生・大学生の美容意識に関する調査」です。
これを見ると
何故、エニタイム24が全国津々浦々で900店舗も展開出来たのか?
が鮮明に分かります。
男子高校生・男子大学生が行きたい施設ナンバー1が「スポーツジム・フィットネス」だったのです。エニタイム24の利用層の8割が若い男性であるのは、若い男性に強い欲求があったからだということなのです。
自分たちの高校生~20代のころの、
異性の関心を得るための消費活動・投資活動は、クルマ・時計・外食であったのが、
今の世代では、自己投資へと変わっているようです。
男子の1位は、ほぼ前年代で「スポーツクラブ・フィットネス」であり、2位3位には年代のばらつきがありますが、「マッサージ」「脱毛」「ヘアカラー」が入ってきます。
一方、女子ではどうでしょうか?高校生では「脱毛」「ヘアカラー」がダントツ1位2位、大学生でも「脱毛」が1位は変わらないものの、「フェイシャルエステ」「整体」「マッサージ」等が入ってきます。