(2022年7月20日更新)
大方の予想通りコロナも第7波となってまいりました。今後も寄せては返す波のように強弱を繰り返しながら、社会全体としての免疫を確保することになりそうです。しかしながら過去のような大規模な自粛はしない方針であるとの情報に安堵しております。
さて、コロナで大きく変わった景色が多い中で、変わらないマーケットの筆頭はシニアマーケットかと思います。
シニアマーケットというと、介護や医療という想像をしがちですが、皆様のご認識の通り介護や医療に属さないシニアマーケットこそが注目すべき市場だと思います。
年代別人口に占める要支援・要介護認定者の割合
出典:公益財団法人生命保険文化センター、厚生労働省「介護給付費等実態統計月報」、総務省「人口推計月報」の各2021年10月データを元に作成 https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1118.html
シニアマーケットの話になるとしばしば登場するのが、この種のグラフ。
高齢になればなるほど、要支援・要介護の方の比率が高まると宣伝されていますが、この現実を比率ではなく実数で見ていくと違う景色が見えて参ります。
令和2年11月の介護給付費等実態統計と同じく令和2年の国勢調査のデータからアセンティアが独自にグラフ化しましたのが、下図となります。
要支援・要介護の方々は少数派で、男女の差があるものの、84歳までの中では、大半がお元気な方々であることが分かります。
確かに、年を追うごとに介護保険受給者の比率は高くなります。
ただし、その比率が高くなるのは85歳超であって、70代のうちは10%程度、80代前半でも25%以下の水準で、その他の介護のお世話にまだならない方々が多くの比率を占めることを忘れてはなりません。(グラフの作成根拠:年齢別人口は令和2年国勢調査から抽出。介護保険受給者は恒例労働省の介護給付費等実態統計から抽出し作成しました)
このグラフは65歳から上の年齢で作ってみましたが、全年代を5歳刻みにしてみましたのがコチラとなります。
70~74歳に団塊世代が、そして45~49歳に団塊ジュニア世代が入る形となり、きれいな二こぶラクダの背が登場しています。
日本経済をけん引してきた一大消費集団である団塊世代が、消費者としてのラスト10年を迎えようとしています。この団塊世代の後期高齢者(75歳超)突入は、過去の同世代とは違います。生きて来られた時代が違います。日本経済をけん引してきた消費集団ですから、今までとは違うアクティブな後期高齢者層を作り出すのは間違いないでしょう。
団塊世代は言うまでも無く、彼らが子どもの頃にインスタントラーメンがつくられ、学生時代にはボーリング場が、社会人になると住宅産業が、自動車産業が、そして外食産業がこの消費集団向けに新たな成長を遂げて産業として成長してきました。介護のお世話にならない団塊世代の消費集団の消費活動には目が離せません。
今から丁度20年前も同じような主旨でベンチャー・リンク時代にお客様に呼びかけました。「元気なシニアを狙うビジネスを探しましょう」と。丁度、団塊世代が当時の定年を迎えようという年代に差し掛かるころでした。
サンマルクが団塊世代に育てられたように、シニア層になる団塊世代に育てられるビジネスを探そうと必死でした。
そしてアメリカで見つけ、日本上陸を実現したのが、あの「カーブス」でした。
実は当時において、日本国内に元気なシニアをターゲットとする頃合いのビジネスが中々無く、調査対象をアメリカまで広げていったことを昨日のように思い出します。
20年が経過して、今の日本にはどうでしょう?
元気な団塊世代に利用された、元気なシニアビジネスが沢山生まれてきているのではないでしょうか?
そして、それら元気なシニアビジネスこそが、コロナ禍においての貴社の重要な柱やヒントになり得るのではないでしょうか?
マーケットサイズという観点から見ますと、元気な75~79歳の人数は、現役の30~34歳の人数よりも多いのです。そして元気な80~84歳の人数は、ほぼ0~4歳児の人数と同数です。
30代前半向け市場と、70代後半向け市場が人数だけで見ると、同数。そして経済力を考えるとどうでしょう?
ほかの重要な視点に世代の特徴というものがあります。
釈迦に説法ですが、昭和22年~24年生まれ、先の大戦終戦直後のベビーブーム世代を団塊の世代と呼びます。同学年が激増し、豊かな日本を築いていく中心的世代でした。それがこのグラフでは令和2年(2020年データ)ですから70~74歳のゾーンになるわけです。大きな山になっています。一つ上の世代の75~79歳は戦中生まれということとなり、まだまだ貧しかった幼少期であり、戦前世代の親に育てられたという世代であり、価値観の差が大きくあるのが、この世代の特徴でした。
団塊世代とバブル世代のはざまの世代を呼ぶ名が無いのですが、世相的には、55歳だった定年が1986年に60歳努力義務化され、2020年には70歳定年の努力義務化をされています。グラフで65~69歳のゾーンの方々は、30歳の頃に、あと25年で定年と思っていたら60歳へ伸ばされ、あと10年で60歳と思った2000年には65歳定年が努力義務化され、60歳になった2012年には希望者全員65歳までと、どんどんリタイア時期が先延ばしされていくという、延長延長再延長を身近に感じてきた世代です。
次の大きな山は45~49歳の段階ジュニア世代になるわけですが、世代の特徴を表すには「バブル世代」を外すわけには参りません。社会人になる年齢でバブル絶頂を迎えていた世代です。就職は引く手あまたで苦労をせず、日本の最高に良かった時代を新入社員として過ごした世代です。生まれ年で言うと1965年~69年生まれの世代で、このグラフでは50~54歳と55~59歳がそれにあたります。当時はやったCMにリゲインの「24時間戦えますか?」というものがあり、仕事の為にプライベートを犠牲にするのは当たり前という風潮で育った世代です。さらに同時期に男女雇用機会均等法世代の女子入社が始まります。
実は人口ボリュームで大きなインパクトがある団塊ジュニア世代ですが、世代の特徴としては、同時期がバブル崩壊による長期低迷期の始まりであり、「就職氷河期」といわれる時期にも当たります。生まれ年でいうと1971年~82年生まれ、このグラフでは35歳~39歳、40歳~44歳、45歳~49歳の部分に当たります。
一つ上の世代が、バブルでもてはやされていた反面、就職時点では正社員雇用が萎められてしまいました。また同時期に非正規雇用が合法化され、多くの方々が正社員ではなく非正規社員としての社会人第一歩を歩むようになりました。失われた世代とも言われています。この世代は、海外旅行にもいかず、ブランド品も買わずという世代で、アウトドアブームのコア層になっているのが特徴です。
更に若い世代は、2000年ころに社会人になるミレニアム世代であったり、生まれたときからスマホやパソコンなどITが当たり前の「Z世代」と続いていきます。
しばらくするとコロナの2020年から2023年に新社会人になった、もしくは青春の大事な時期をコロナによって抑制された世代が生まれてくるのだと思います。
コロナ世代が消費の中心になるころには、どのような社会になるのでしょうか?
一つ上のZ世代が、モノへの欲求が少なかった日本ではありますが、コロナ世代は多くの我慢を強いられてきました。その鬱積から消費爆発という予想もされています。団塊世代以上の年金受給者の年金の貯蓄が孫世代のコロナ世代の消費に振り向けられるという予想もあります。
幾つかのキーワードをご提示します。
これらの事柄に関わるビジネスジャンルが大いなる可能性を秘めていると思います。
後期高齢者に入る団塊世代はあと25年寿命があります。
元気な団塊世代がワクワクするようなビジネス。これこそがポイントです。
既存のビジネスの中で、シニア層が求めるメニューを増やす シニア層が求める販促企画を行う そういう業態を探す・・・
我々が注目しているビジネスの中でもシニアの評価の高いものをまとめてみました。>>https://blog.assentia-hd.com/fc/tag/
アセンティア・ホールディングスでは、来月のzoom商談会でもまた新しいビジネスモデルをご紹介して参ります。
zoom商談会のご案内
毎月zoomで開催している「加盟店が主役のフランチャイズ商談会」ですが、多忙な皆様とのスケジュールを調整するために、設定している前後日程での貴社に合わせた時間開催も可能となっております。
次回は、8月9日(火)開催です>>https://fc.assentia-hd.com/franchise-fair-0
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