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アフリカでコインランドリーをフランチャイズで展開しています

作成者: 松本信彦|2025/07/05 9:41:01

日本政府のABEイニシアティブという制度で日本の大学院に国費留学していた若者が帰国後にフランチャイズ加盟店としてコインランドリー経営に着手。

フランチャイズ本部は長野県のフランチャイズ加盟企業。
新規事業でコインランドリーを13店舗展開している元サンマルク加盟企業(現在もエニタイムフィットネス加盟企業)。フランチャイズ加盟で学んだフランチャイズを今度は自社が本部となり、海外フランチャイズの本部を運営することに。

日本とアフリカという関係の中で成立しうるビジネスチャンスとは?

自社でもこのビジネスに関われる方法がある=その方法とは?

 


昨年10月末にアフリカの南東部のモザンビークという国の首都マプトに、この国で初めてとなるセルフサービスのコインランドリーを開業しました。

運営しているのは、日本の大学院で修士号を取得し、弊社アセンティア・ホールディングスで半年間インターンシップを経験したセルジオ・モライス氏。フランチャイズ契約での店舗です。

 

フランチャイズの本部を運営しているのは、長野県塩尻市の立石コーポレーション。本業はガソリンスタンドで、コインランドリーも13店舗経営している会社です。

実は30数年前にベーカリーレストランサンマルクに、先代の社長時代にご加盟いただいたことからご縁のあった会社です。サンマルクは既に閉店されておられますが、フランチャイズでは他にエニタイムフィットネスにも加盟されている地方のフランチャイジー企業です。

コインランドリーはフランチャイズ加盟ではなく、自社ブランドで展開されています。

 

そんな立石社長は、弊社の「本業の明日を考える一日合宿」を2023年1月に利用されました。

その合宿の中で、立石社長はご自分の経験からも「海外展開」を将来の夢としてお話しいただきました。しかし自社の事業はガソリンスタンドや自動車整備、そしてコインランドリー、海外展開に直結できる話がすぐにあるわけではありませんでした。

 

ただそんな立石社長との合宿の数か月前に、弊社に飛び込んできたのが、冒頭のセルジオ氏からのインターンシップの依頼で、彼はZOOM面談の中で「コインランドリーを母国にフランチャイズで持ち帰りたい」と強く要望を出してきました。6か月のインターンシップの中で何とか彼の夢の実現になるようにしたいと思いながら、2023年7月からのインターシップを受け入れることを決めていました。

1月の立石社長との合宿の最後に、7月にインターンのセルジオ氏と塩尻に訪問することだけを依頼しておりました。

 

セルジオ氏がコインランドリーを展開したい、その理由は、

・日本に来て、あちらこちらにランドリーがあることに驚いた

・母国ではほとんどの家庭で、手で洗濯をしている

・それには膨大な時間がかかる

・多くは女性の仕事となっている 女子学生たちは勉強すべき時間を洗濯に取られている

・それらを何とかしたいのだ

というのです。

 

日本では昭和の時代、三種の神器として、冷蔵庫・テレビ・洗濯機が一気に世帯に普及していきました。

アフリカではどうか?というと、インターネットが食い込んできており、冷蔵庫・テレビ・インターネットとなっているようです。

洗濯機が普及していないのは経済的な事情以上に、安定した圧力の水道網が来ていないことが大きな理由のようです。水が豊かな日本だったので、洗濯機が一気に普及したともいえると思います。

 

ところで、セルジオ氏の要望を安請け合いしてしまった私としては、何とか彼の意を汲まねばなりません。コインランドリーを展開している会社数社に話を持ち掛けました。が、全てNG。

そこで知ることになるのは、我が国のコインランドリーを展開している会社の目的は、「節税」(ランドリー機器が何故か2年で償却できるので)が多く、店舗近隣の生活者に洗濯機能を提供するのではなく、節税主目的の加盟募集で広がっているということです。

ですから、アフリカでの洗濯の展開などに興味を持ってくれるわけもありませんでした。

そしてさらに、機械のメンテナンスが問題だと言い出す始末で、お話になりませんでした。

 

7月、セルジオ氏のインターンシップ初日に早速塩尻の立石コーポレーションに訪問しました。コインランドリー運営の実際を、掃除なども含めて本人に体験してもらい、立石社長ともじっくり話をする機会をえました。実は立石社長は高校~大学と通算10年ほどカナダに滞在していた経験があり、英語も堪能で、セルジオ氏とも英語で直接意思疎通が図れました。

話がトントン拍子で決まったわけではありません。その後3か月ほどは、色々と紆余曲折がありました。

私どもとしては、日本製のランドリーマシンをアフリカに輸出して展開することを目指して日本のランドリーマシンメーカーにアプローチしました。

が、大手のランドリーマシンメーカーはChina企業の傘下になっていたり(AQUA)、ファンドの傘下になっていたり(TOSEI)で、いずれもアグレッシブな意思決定のできる相手ではなく、AQUAからは新品は高いので、中古機械を多数扱っている販社に相談するのが良いと三共工業(長野県)を紹介される状態でした。

 

ただ、ここで幸運が訪れます。

AQUAから名前の出た三共工業(長野県松本市)は、なんと立石コーポレーションのランドリー機器を納入している会社であり、立石社長は三共工業からランドリー経営のイロハを学んだ経験がありました。

また、三共工業の宮澤社長にお会いしてみますと、ベンチャー・リンクのことを良くご存じでした。

30年前に、ベンチャー・リンクにランドリーのフランチャイズの相談に行ったことがあったらしく、その際VLは、「ランドリーにはノウハウが無いからフランチャイは止めた方が良い」として断ったそうなのです。それを機に宮澤社長は、ランドリーのフランチャイズではなく、機器販売と消耗品販売、周辺機器販売に舵を切ったということなのです。そんな昔話にも花を咲かせながら、日本の整備済(消耗部品は交換し、前面パネルも取り外してクリーニング)のコインランドリーを輸出して展開する事業構想が生まれてまいりました。

 

現状のビジネスモデル

結果として現在アフリカで展開しているビジネスモデルは、

・日本から整備済ランドリー機器一式をレンタル輸出

・加盟店は機器をレンタルし、5年間で機器代金を全額分割で支払い、その後も価格ダウンして継続レンタル可能

・末端売上の10%をロイヤルティとして支払う

・日本本部は立地選定ノウハウや運営ノウハウ、教育ノウハウを授ける

・加盟店側は人材採用し、マーケティングを行い集客し、店舗運営をする

・安定運営後は自国でフランチャイズ加盟店を募集できるマスターフランチャイズに昇格する

・現地の加盟店はマシンをレンタルか買取かを選択する



データ編

ランドリーの利用価格は幾らくらい?

・洗濯機で1回の洗濯で小(14kg)で約450円、大(20kg)で約680円

・乾燥機 1回10分で小(16kg)で約226円、大(28kg)でyaku 340円

・つまり洗濯&乾燥20分で1000~1400円というレベル

以上はモザンビーク(一人当たりGDP600ドル=日本の70分の1)での実績。

 

ランドリーの利用客は?

・共働きの若夫婦

・働く女性

・一人暮らしの男性

がそれぞれ3割で、決して富裕層ではなく、ミドル層が利用しています。

 

中古ランドリーの価格

・一店舗5台で300万円程

・輸出費用が3店舗分で200万円弱(40フィートコンテナに18~20台ほど積載)

 

日本企業が関われるのか?

現在、日本の本部としては、ご一緒にアフリカ市場開拓を志してくださるパートナー企業を募集しております。例えば今後展開する国の本部の機能を一部補っていただくなど、貴社の海外戦略に合ったパートナーシップを構築可能です。

 

他にも可能性のあるアフリカ市場

アフリカといっても経済レベルは色々ですが、高度経済成長期の日本から今日までに日本で流行ったビジネスは、押しなべてアフリカでも成立すると考えられます。

・フードビジネス全般

・特にデザート、軽食、カフェ

・子供の教育 塾、数学、英語、右脳教育系

・クリーニング

・水の宅配

・自動販売機

・コンビニ

・食品工場

・ソーラーなど電力供給ビジネス



TICAD9について

2025年8月20~22日の日程でパシフィコ横浜にて、6年に一度日本で開催されるアフリカ開発会議が開催されます。

アフリカ中の国家元首とその帯同経済人が集まる会合です。弊社は、併設のJapan Fairにて、農業系ビジネスの「TOKYO8」と、「SELFIE」ランドリー、そしてフードビジネスとして「たけさん」を出展しております。

是非視察にお越しください。

TICAD Business Expo & Conference 一般来場者登録サイト

https://www.jetro.go.jp/events/ticad9.html