弊社支援先の株式会社太陽油化(東京都板橋区)の行う海外の小規模農業支援ビジネスTOKYO8マイクロフランチャイズモデルが、日本政府のジャパンSDGsアワード推進副本部長賞(外務大臣賞)を受賞しました。
プレスリリース: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000090088.html
外務省HP: https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/award/index.html
実はこの「TOKYO8マイクロフランチャイズモデル」。かねてより皆様にご案内している「合宿」から生まれた事業構想を実現していった結果なのです。
太陽油化さんの本業は廃棄物リサイクル&アップサイクル(アップサイクルは元の素材よりも価値あるものに変化させる意)です。
自動車のエンジンオイルのリサイクルや、東京23区内で2社しかないレストランのグリストラップ汚泥など生活汚泥の中間処理業者が本業です。
汚泥処理を微生物を使って効率よく行う中で、性能の素晴らしい集団微生物と出会い、本業の効率化とともに行った応用させた商品開発の中で、消臭剤や農業用肥料の利用が始まりました。10年前の話です。
しかし当時、農業従事者の方々は汚泥由来の農業資材には目もくれませんでした。(今日はウクライナ危機で化学肥料の原料輸入が止まり汚泥肥料に関心が集まっています)
仕方なく自社農場や親密先で使い続け、圧倒的な収穫量増の実現を続けていました。いつの日か農家に広めたいと夢見て。
そんな中、太陽油化さんが外食産業への新規進出を検討したいというご相談をきっかけにアセンティアと出会います。2020年秋のことです。
私どもは会社全体のことや本業のことを色々お聞かせいただく中で、異業種への進出の前にすでに着手している新商品や新事業を、外部の知恵を交えて磨き上げるべきでは?と提案をし、2021年2月に「合宿」をしました。
合宿では様々な可能性を、双方の多彩な経験と見識の中で議論を進めましたが、農業の生産性を高めたいと希求する国が世界には多々あることを見つめ直し、そこにアプローチする方法を磨いていきましょう。まずはASEANのアセンティアの人脈から実験をしましょうという結論になりました。(その年の夏にインドネシアでの実験に至ります)
TOKYO8という微生物による土壌改良剤・植物活性剤を海外へ展開する。
日本からの製品輸出では送料が高いので、現地で再生産できるビジネスモデルにすることで、途上国であっても小規模農家が扱える安価な製品にできる。
海外生産拠点も、販売網もフランチャイズで構築するTOKYO8マイクロフランチャイズモデルが出来上がることとなります。
今は、その合宿から丁度2年が経過した段階なのですが、海外ではインドネシアとアフリカではモザンビークに現地生産拠点が完成し、販売フランチャイズの準備段階には10か国にもなるほどにまでになりました。想像以上の広がりだと思います。
そして今月、私松本はその一つである西アフリカのリベリアという国を訪問しました。
リベリアは世界最貧国の一つで、一人当たりGDPは世界最下位の10か国に入るほどです。
その国の中でも貧しい地域のキリスト教系の小中高等学校でTOKYO8が使われているのを視察するためにです。
リベリアで利用されるようになった経緯は、リベリアから日本に国費留学していたJonathanという若者と2017年に私が出会っていて、2021年すでに帰国をしていた彼を含めた私の途上国人脈に対し、WEBINARでTOKYO8のビジネスを途上国で実験をしたいという呼びかけをしました。Jonathanはその呼びかけに応じてくれていました。
そして彼本人は農業には知見が無かったので農学部だった友人2名とチームを組んでTOKYO8を使った農業実験を繰り返してくれました。
そして、化学肥料が無くても農産物が良く育つということや、農薬の代わりに害虫を遠ざける害虫忌避効果があることなどを次々立証していきました。
更に安く収穫増が期待でき、農薬の代わりにもなりうるTOKYO8をJonathanは自らのネットワークで情報発信をしたところ、学校の敷地6haで農業に従事しているZuba氏と出会い、学校での農作業の効率化のために学校敷地内の農地でTOKYO8を使うことが始まりました。
Zuba氏の学校では、400名の生徒に対して毎日振る舞う無料のランチ(給食)に、少しでも野菜をたくさん食べさせたいという理由で、野菜の収穫が増えるTOKYO8を使いだしました。敷地が6haあるので重労働です。生徒にも農作業を一部手伝ってもらいたいと願っていました。しかし農薬や化学肥料では子供たちの健康被害が心配でした。しかしTOKYO8がオーガニックの微生物資材であり、使用する際に農民への危険が無いことから、子どもたちの農作業支援に最適だと、子どもたちも進んで農作業の手伝いを始めました。
無料のランチは予算が限られているので、ほぼ毎日ご飯に豆のスープという組み合わせです。そこに週に1回でも2回でも新鮮な野菜を取り入れたいということでした。
訪問した時には、数週間後に畑に定植するキャベツの芽が育苗箱で青青と生い茂っていました。
生徒たちがキャベツをもりもり食べられる日も近いということです。
こんな事業モデルが、「合宿」から始まりました。
合宿の前には、このような展開になることを太陽油化さんはもちろん、私どもも想像していませんでした。
互いの本業の情報を真摯にぶつけ合ったことがきっかけと、様々な幸運から生まれた成果と言えます。
今回、このお話を皆様に申し上げるのは、太陽油化さんにとってのTOKYO8のような事業の種は、それぞれの会社に存在するのではないか?ということを見つめていただきたいからです。
私どもアセンティア・ホールディングスはフランチャイズを提案する会社ではありません。
皆さん個々の会社の明日につながる事業を見出すお手伝いをしたいと願っています。
その過程で、世の中に必要とされるフランチャイズビジネスを創造する会社だと思っています。
中小企業の支援こそが天命だという思いがございます。
引き続きよろしくお願いいたします。