地方でもインバウンド 先ずは国宝や景勝地からただ、次第に広がる活動範囲
コロナ前の1.7倍!もう止まらないインバウンドの流れ
2024年上半期のインバウンド客の消費動向が報道されています。その金額たるや、コロナ前の2019年比で1.7倍にもなっています。これ以上の市場成長があるマーケットは、インバウンド以外にあり得ないのではないでしょうか?インバウンドマーケットを狙うビジネスを考えずに、最早経営は続けることが出来ないのではないでしょうか?
そして、かつてのゴールデンルート以外の場所でも確実にインバウンド客の足音が聞こえるようになっています。
先日も長野県松本市でインバウンド観光客へのヒアリング調査をしました。その結果は想像以上のものでした。詳細はこちらのブログをご覧ください>>https://blog.assentia-hd.com/inbound2.0/konjakusou_matsumoto
上記は7月19日に好評された、2024年4~6月期のインバウンド消費の費用別構成内容ですが、中国人観光客が復活し始めていることで、再び爆買い現象が発生しはじめ、買物代が増加しておりますが、宿泊が支出ナンバー1であるのは、堅持されております。
面白いデータがありました。主要国別の、一人、1泊当りの消費支出の品目別の表です。
これを見ますと、中国からのインバウンド客の買い物傾向は他の国に比べて明らかに高く、欧米(この場合、アメリカしか記載がありませんが)のインバウンド客は買い物にはほとんど興味が無いことが見て取れます。その分が宿泊に回っております。
私どもは、かねてより、中小企業が取り組むべきインバウンドビジネスは宿泊だと主張してまいりました。
その理由は、
- 旅行客は必ず、どこかで眠る
- インターネットが普及している今、若者の貧乏旅行でさえも事前に宿泊場所は予約をする(私どもの若いころは予約無しで旅行したものでしたが・・・)
- インターネットでの予約なので、ネット上でどのように見えるか(画像や動画、そして顧客評価)が勝負
- 飲食と違い、直前のキャンセルは少ない(事前決済にも応じてくれる)
という点です。
そして、宿泊業に中小企業が参入するのであれば、勝てる領域があることも主張してまいりました。それは、
- 投資の小さい小規模宿
- 4名以上の客(家族やグループ)を対象とする
- 集客に不安の少ない仕組みを利用する
ということです。
投資が小さい小規模宿と申しますのは、部屋数の30以上ある中規模以上のホテルには大手資本が参加しやすく、特に多くの観光客が見込める地域では、不動産系の投資会社が投資目的でホテルに乗り出していますので、そのような大手資本との競争を避けるという意味です。
4名以上の客(家族やグループ)と申しますのは、インバウンド観光客が一体何名で来日しているのか?というデータを見ての判断です。公的統計データがありませんでしたの、弊社アセンティア・ホールディングスでは実際に空港で来日客が税務申告を経て入国するゲートの前に待ち構え、目視で「何名連れなのか?」をカウントしました。それが以下のグラフです。
一番大きな塊は、「2名連れ」です。ご夫婦やカップル、友人同士の2名で連れ立つのが最多です。そして羽田と関空では一人客の割合が違いますが、3名連れまでの合計値は約8割と、どちらも同様の結果になっています。
日本のホテルがシングルやツインルームが多いのは、このインバウンド客の組人数を見ても合点の行くところです。
問題は、4名以上が2割いるという事実です。
インバウンド客の2割が、4名以上なのです。
4名や5名で旅行するときに、どのような部屋割りになるでしょうか?
もちろん、ビジネス客などの5名はシングルルーム×5部屋が妥当でしょう。
しかし、学生の仲間、家族や親族の5名の場合は、お客様のニーズとしては、同じ場所で寝泊まりしたいというのが本音なのではないでしょうか?
時折見かけるビジネスホテルの部屋のドアをセーフティロックを倒したままで部屋の行き来をしている姿は、この意図に反して複数の部屋に分かれて宿泊をしている旅行者の苦肉の策なのです。
このマーケット=4名以上の客(家族やグループ)は、全体の2割と、大手が狙うには少し小さいマーケットであり、我々中小企業が狙うには、非常に魅力的なマーケットであるという理解で、インバウンドマーケットを眺めていただければと思います。
事例紹介:今昔荘、インドネシア華僑の休暇の取り方を間近で観察して生まれたビジネス=今昔荘