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2019年比9.9%増、5兆円のインバウンド消費の実力は?
2024年1月17日に公式発表された2023年12月度の訪日外国人観光客、インバウンドの各種統計を読み解くと、日本のインバウンドビジネスの可能性と確実性が見えてくる。
2023年のインバウンド観光客による支出は、コロナ前2019年の1割増の5兆2923億円
ただ、訪日人数はコロナ前の2019年比で2割強少なかったものの、ドル円相場が2019年の108円に対し、2023年は140円と3割強円安に振れているので、人数は減ったが一人当たり単価が円建てでは上昇して5兆円を超える実績となった。
2019年の際は中国人団体観光客の爆買いや、街のあちこちに中国人が居て、相当のインパクトでしたが、今年は人数では2割減っている分、インバウンドが多い!という印象ではないのではないでしょうか?
インバウンドはホンモノか?
ホンモノです。
2019年のインバウンド景気が中国に一国依存する形のまがいものであり、今のスタイルはホンモノであると思えます。
根拠として、
- 2023年は月を追うごとに訪日客総数が上昇し続けている この傾向は止まらない
- 親日主要国(人口対比の訪日客の比率の高い上位国)の訪日数が戻ってきている
- インバウンド客の消費する中身が、モノからコトへと変化してきている
- 中国が復活せずとも、他国からで十分の水準になっている
ということが挙げられます。
データをご覧ください。
こちらは、2019年と2023年の訪日数を月別のグラフにしたものです。
赤が2023年なのですが、ご覧のように月を追うごとに増加していることが分かります。
そして、モノからコトへ消費の動きが変わったと決定づけたのが、このデータです。
皆さんもご経験がおありだと思いますが、海外旅行が珍しかったころは、家族や親せきにまでお土産を買った時代だったと思います。2019年までの中国人団体観光客はまさにそのような様相でした。
海外旅行に慣れてくると、買い物よりも経験に関心が向いてきます。
こちらのデータは2017年調査(観光庁、訪日外国人消費動向調査)なのですが、来日している外国人観光客に「次回日本に来たらやりたいことは何ですか?」と選択式で尋ねた結果です。
国によって傾向が異なることが良くわかります。国民性なのか、海外旅行経験の豊富さであるのか。。。
このように、一般的に海外旅行により慣れている欧米の志向性は明らかに違います。
旅慣れたアジア人も同様の傾向になることが予測されます。
人口の3割が来日する香港
このグラフは、各国からの訪日人数を個々の国の人口で割ったものです。
残念ながらこの訪日人数は入国をした延べ人数なので、一人の方が毎月来日すると「12人」と計算されてしまいますので、正確ではないにしろ、親日度やその割合を図るには良い指標だと思って継続的に調査をしております。
香港や台湾の方の親日ぶりは有名ですが、韓国からも根強い人気があり、最近メキメキと存在感を高めているのがシンガポールです。
これら、親日国の方々の志向性や消費行動を深く調査することも非常に重要なことだと思われます。
アセンティアでは、インバウンド消費に関しても継続的に情報収集を重ね、分析し、レポートしてまいります。