JETROが会員向けのニュースで、アジア新興国の2022年度の経済成長が下方修正という記事が配信されています。参考情報>>JETRO
一人当たり購買力平価GDP42位の衝撃
今年は12月だけで欧州で2ブランドで3つのフランチャイズ加盟契約が締結できた。
一つはポーランド、一つはフランス。そして既にフランスパリで開業していたフランチャイズの2号店契約で、合計3つとなった。
ポーランドの契約後、契約の報告を在日ポーランド商工会議所にしたところ、年末の大使館での会合の招待をいただき、大使館でセミナーと忘年会に参加した。
ポーランド経済の講演を拝聴して、我が耳を疑う衝撃の事実を知った。その後いろいろと調べたが、経済講演の内容は事実であった。
それは、一人当たり購買力平価GDPで、今年2025年にポーランドは日本を抜き去ったというものだった。

購買力平価というのは耳慣れない難しい言葉かもしれない。
簡単に言うと生活水準。1人当たり購買力平価GDPが日本よりも上の国では、日本のラーメンを日本よりも高い価格で提供しても何の問題もなく商売ができてしまうということとなる。
2017年、私どもの社長の土屋は、JETROの海外ミッションに同行して東欧の外食市場を視察していた。その際ウクライナのきーふやポーランドのワルシャワも訪問しており、その訪問報告では、東欧は人件費も安く、イギリスやドイツ等経済発展国に多くが出稼ぎに出ている状況で、ASEANのようだという内容だった。その報告からASEAN同様のイメージを持っていたのだが、、、
事実2017年のポーランドの一人当たり名目GDPはUSD13,917、日本はUSD38,000と3倍近い開きがあったが、物価を考慮した一人当たり購買力平価では日本はUSD41,518.1、ポーランドはUSD30,171.7と差が縮まっていた。
そして、2025年(IMF推計)で、ポーランドが日本を抜き去ったのだ。
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41位:ポーランド |
USD55,340.2 |
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42位:日本 |
USD54,815.3 |
(表中の順位は、IMF予測の2025年数値のランキング順位)
そして、IMFの予測では2030年には、その差は広がり
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38位:ポーランド |
USD70,394.5 |
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39位:イスラエル |
USD65,789.7 |
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40位:ニュージーランド |
USD64,728.9 |
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41位:スペイン |
USD64,505.1 |
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42位:クロアチア |
USD63,928.6 |
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43位:日本 |
USD63,223.4 |
(表中の順位は、IMF予測の2030年数値のランキング順位)
という予測になっている。
私たちの海外フランチャイズは、一人当たりGDPが日本よりも豊かな国、新興国、途上国の3つに分かれる。
下表に記載しているのは、3つのカテゴリごとに進出している国の一例を表示した。
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【1】日本より豊かな国 |
【2】新興国 |
【3】途上国 |
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|---|---|---|---|---|---|
|
2位シンガポール |
156,969 |
57位マレーシア |
43,664 |
147位ケニア |
7,556 |
|
18位香港 |
78,918 |
80位タイ |
26,358 |
182位マダガスカル |
2,039 |
|
21位オーストリア |
74,852 |
99位モンゴル |
20,378 |
186位マラウイ |
1,757 |
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29位フランス |
66,060 |
110位インドネシア |
17,633 |
187位モザンビーク |
1,732 |
(表中の順位は、IMF予測の2025年数値のランキング順位。数字はUSD)
日本より豊かな国で展開しているのは、ラーメンが中心で一部おにぎり。新興国では、ラーメン、居酒屋、一部でネイルサロン。
途上国では、外食はまだなく、農業資材(バイオスティミュラント)の現地生産かセルフサービスランドリーとなっている。
そして、同じラーメンブランドで、【1】と【2】の地域に進出しているが、各国で提供しているメニュー価格は2~3倍の開き、一店舗当たりの月商では3~5倍の開きになっている。
日本は、一人当たりGDPでは名目も購買力平価も、どんどん順位を下げている。
一人当たり名目GDPでは2015年から2025年の間(つまりこの10年で)台湾にも韓国にも抜き去られている。
物価を加味した1人当たり購買力平価GDPでは、2015年の段階で台湾にも韓国にも抜き去られた。
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1990年 |
2005年 |
2015年 |
2025年 |
2030年 |
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一人当たり名目GDP |
8位 |
17位 |
28位 |
40位 |
42位 |
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一人当たり購買力平価GDP |
23位 |
31位 |
34位 |
42位 |
43位 |
今や、購買力平価でも名目でも日本よりも豊かな国が40か国もあるということだ。
これらの国では、日本より高い単価で十分勝負できるし、日本以上に顧客の購買力があるということだ。ビジネスをする上では大変魅力的である。
これらの国の中でも日本食や日本のサービスに対する意識が非常に高くなっている。これはアニメや漫画の影響も大きい。複合的な様々な要因で、日本イコール健康、日本イコール美味しい、日本イコール格好いいということになっている。
ただ、個々の国には独自の文化があり、習慣があり、法律もある。言葉も違う。そのような環境の中で上手にビジネスを行う方法は、やはりフランチャイズだろう。
郷に入っては郷に従え="When in Rome, do as the Romans do"
現地の方にビジネスしていただくことに、活路があるのだと思います。
海外フランチャイズに関しては、様々な業種業態でのフランチャイズ化の経験がございますので、是非ご相談ください。