外国人雇用、いや外国人を自社の経営にどう活かすかについて、私たちはもっと真剣に考えなくてはならないと痛感していることについて、今日はお話します。
8月20日~22日に横浜パシフィコで開催される展示会で弊社は外国人インターンをなんと8名!採用して業務に当たりますので、飲食店舗や工場以外での外国人との仕事の仕方についての視察にはもってこいだと思います。(詳細は後述します)
日本の現状の少子高齢化の到来は別に急に始まったわけではなく、40年も前から今日の日の来ることは十分予測できておりました。この予測は別に政治の責任でもなく、自分たちの属する市町村や都道府県の出生数を見るだけでも明らかなことでした。
先々に起こる変化が明確にもかかわらず、明確な手を打てなかっただけのことだと存じます。
そしてこの傾向は収まることが将来においても無いことも明らかです。
私はこの場で過去数度、外国人採用について記載しました。
今後数年を見据えても外国人採用を真剣に考えること、そして緩やかな一歩を踏み出すことについて、是非お考えになるべきだと強く感じております。
外国人活用でとかく話題になるのが、旧「技能実習制度」です。悪の巣窟のような言われ方で、過去に顧客企業の採用として深く関わっていた私としては、悪といわれるのは非常に心外でした。実習生と向き合い彼らの将来を考え、技能実習で身に着けた技術で、実習生の母国で、店舗や事業を開始しようと目指していた企業も多数あることを私は知っております。
そんな実習制度改め育成就労制度ですが、制度に乗って日本に来ようという若者の数が減少しています。
一つは、彼らの母国の経済成長です。例えばベトナム。コロナの一時期を除けば経済成長率は7%平均です。7%成長とは、10年で2倍になるということです。
実際にベトナムの平均月収は2012年比で都市部で2倍、農村部では2.4倍になっています。そこに円安が加わり、日本に技能実習や育成就労で「出稼ぎ」に来ても稼げないということが明らかになっているからです。
ただこれは、期間限定の出稼ぎの方々相手の話です。
彼らは「稼ぐ」ための来日ですから、経済成長や円安で日本の魅力が相対的に目減りするのは仕方のないことです。
ただもう一つの「就職先」という視点で見たときに、日本の優位性があるのです。
先ず情報として、伝えておきたいことがあります。日本の就職市場と海外の就職市場の違いについてです。
日本は少子高齢化で、多くの企業が採用難に陥っております。売り手市場の状態です。
人口ピラミッドを見ると良くわかります。
日本は退職していく人数の方が大卒人数よりも多いのです。
しかし、諸外国はどうでしょう?新興国や途上国がきれいな三角形の人口ピラミッドなのはご存じでしょうが、USAでもこのような形なのです。
加えてITが発達し省力化が進みましたので、若者の数の十分な仕事が無いのが現実です。
更に、学校を出たばかりの若者に対して多くの外国では未経験者だと冷たい風が当たります。対して日本は、新卒採用に積極的でビジネス経験のない新卒者を教育して事業に関わらせようという習慣があります。
多くの諸外国では、新卒採用に熱心ではなく、採用は即戦力採用が優先、経験のある中途採用に集中しております。
つまり、大学を卒業しても、大学院を卒業しても、良い就職の機会が得られない新卒学生が沢山存在しているのが現実なのです。
実習生や育成就労生のように「出稼ぎ」目的の方々は稼げるかどうかがカギですが、大卒新卒生としては、稼げるかの前に就職できるか?そして人生にプラスになる経験ができるか?がポイントです。
日本は長きにわたって、新卒を採用し企業の中で教育育成する文化を持っております。貴社においてもそういう傾向だと思います。
そのこと自体が世界と比べと武器になるのです。
大卒新卒の就職市場を調べますと
韓国では4年生大学卒業時に就職できるのは6割にとどまっています。
中国では5割を切っているというニュースが報じられました。
USAでもアフリカのケニアでも、
以上のことから、日本の中小企業であっても、海外の学生の採用に積極的に手を挙げることは非常に有利だと思っています。
中にはしっかり日本語が話せる外国人学生もおります。もちろん英語しか流暢ではない方もいます。
はじめて外国人と仕事をする方におススメなのが「インターンシップ制度」です。
私たちはJICA(国際協力機構)のインターンシップ制を長年活用しております。
短いインターンシップ(2週間)というものもありますし、3カ月~6カ月のインターンシップもあります。
出身国では、フィリピン、ベトナム、インドネシアといったASEAN諸国もありますし、ブラジルといった中南米、そして、モザンビーク、モーリタニア、ケニアといったアフリカ諸国。ご存じのようにアフリカ諸国からの採用が一番多く20名以上を過去7年で採用しています。
JICAのインターンシップは、JICA本部や更に外郭団体のJICEという組織の企業に対するフォローもあり、はじめてでも安心して採用が可能です。
インターンシップの際に気にいった学生を採用することも可能です。
JICAの場合は、留学生と日本企業のマッチングイベントとして「ネットワーキングフェア」というものが、3月(東京開催)10月(関西開催)があり、その場でブース出展をして自社を説明するという機会があります。
毎年私どもは参加しており、今年も夏休みに6名の2週間のインターンシップを、そして3月末から6カ月、6月末から5ヶ月のインターンシップ生を採用しております。
ちなみに夏の6名のインターシップ生たちは、8月20日から22日の3日間に開催されるTICAD(アフリカ開発会議)の併設ビジネスフェアに弊社と複数の顧客企業が出展するので、そのブースでの説明要員として採用しておりますし、5~6カ月の長期インターンの2名はそれぞれ私どもが支援しているフランチャイズの加盟店になる候補者です。
弊社で採用というわけではなく、加盟店となって弊社とも末永いビジネスをしていく相手になります。
末永い付き合いが出来る相手か否かの選別を、数カ月のインターンシップで見極めようという意向です。
尚、JICA留学生は、ほぼ全て大学院への留学であって、大学生のような社会人未経験者ではありません。4年生大学を卒業した後、母国で政府機関や民間企業に就職していた者が日本の大学院での専門教育を目指してJICA留学生の試験を経て来日している方々です。
全員がとは申せませんが、比較的難関をくぐって来日しているので、それなりに知性があり、それなりの人物である可能性が比較的高いと思います。
また、韓国や中国など近隣諸国から日本の4年生大学へ留学してくる学生も非常に増えております。
理由は、前述のように例えば韓国では、4年生大学を出ても就職先が無い。出来ない。とう理由が多いです。母国では将来設計が出来ないと、日本の大学を選び、日本での最初の就職を目指して来日してきます。
彼らはより良い就職やより良い人生を目指しているので、日本語学習も余念がないケースが多いのも特徴です。
日本の大学側も、留学生の受け入れはWelcomeです。そもそも私の時代に120万人だった大学入学者が、今は60万人と半分になっています。大学の数は増えております。一大学当たりの日本人の若者の数が減っているのです。当然その穴を埋めないと大学経営が継続できませんから留学生受け入れには相当熱心です。
地方の大学でも同じ傾向が言えます。
よって、地元の大学でも外国人留学生向けのアプローチをされてみると、効果的かもしれません。
コロナ中に大分県別府市の立命館アジア大学に訪問したことがあります。就職部の方がとても熱心に対応くださいました。
実はJICAのインターンシップ制度がもとで、本業の海外戦略が一気に広がった企業があります。
太陽油化と立石コーポレーションです。JICAインターン生との出会いの前は海外展開等は。漠然と夢のまた夢とお考えでした。しかし現在では、重要な新規事業の一つになっています。しかも大きな研究開発投資やコンサル会社などを使わずにです。
海外に行ってマーケティングリサーチをするのではなく、日本に来ている海外からの留学生たちにニーズを確認することから始まりました。
太陽油化は東京板橋区でオイルリサイクルや汚泥処理などを行う会社。立石コーポレーションはガソリンスタンドが祖業で、フィットネスやコインランドリーの展開をする会社です。それぞれが新規事業の一部が海外へ出ていくことになりました。
太陽油化のTOKYO8事業は、小規模農家問題や化学肥料の高騰に悩む途上国からは期待を向けられており、
立石コーポレーションのSELFIEランドリー事業は、洗濯機の普及が少ない途上国の新規事業として熱い視線を向けられております。
何れも日本国内で本業の一部としていた分野の海外フランチャイズ展開です。
日本にいる外国人と雇用やビジネスの視点で接点を持ちますと、採用はモチロン貴社の本業の海外展開にも大きな前進が得られるのではないかと、強く思います。
採用に課題を感じていらっしゃる方に、少しでも参考になればと存じます。
TICAD9 Business Expo and Conference 8月20日~22日 パシフィコ横浜
TICADとはアフリカ開発会議のことで、今年で32年目の日本政府主催の公式なアフリカとの会合です。それに併設される形でJETRO主催のビジネスフェアがございます。
弊社ではそのビジネスフェアに、弊社のみならず、古くはサンマルク加盟店で長野県でガソリンスタンドを経営する立石コーポレーションが展開するランドリーフランチャイズや、東京板橋区の汚泥処理の太陽油化が展開する農業支援ビジネスTOKYO8、長野県小布施に1店舗しか無かったラーメン店がモンゴルやパリにフランチャイズが開業している「たけさん」など複数の日本からアフリカへ発信するビジネスとともにブース出展を致します。
そのブースの支援のために10名を超えるJICA留学生をインターンシップとして雇い入れ研修を施し当日のブースでのビジネス説明に当てる計画です。
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