レンタカーという言葉を使うことでの誤解
レンタカーという言葉を使うことで、一時的な利用のレンタカーを想像してしまい、この業務レンタカービジネスの本質を理解することの妨げになっていることに、私どももようやく気付きました。
クルマは、首都圏等大都市通勤圏の方々にとっては、数ある移動手段のひとつにすぎませんが、日本の人口の7割の地域の方にとっては、唯一の便利な移動手段であります。
しかし、そのクルマの保有(手元に置き、好きな時にいくらでも利用できる状態)の方法は購入の一択である時代が続いています。ごく最近にリースや残価設定の手法が生まれていますが、契約で縛られるので購入と同義とここでは考えます。
クルマを保有する際には、購入にせよリースにせよ、大きな決断をしないといけないわけです。
その購入一択であったクルマの保有に、「買わないで利用する」という選択肢を提供するのが、今回のビジネスです。
買わないけれども、自分の手元に置き、いつでも好きな時に何時間でも利用できるという新しいクルマ保有が、業務レンタカーです。
例えば、住宅利用については、「購入(所有)」と「賃貸」があるのに、クルマに関しては購入一択であったのです。レンタカーやカーシェアもありますが、どちらもあくまで短期貸しであり、賃貸住宅と同列には語れません。
賃貸住宅のようなクルマ保有のカタチが従来は存在していなかった。そのマーケットに新しく登場したのが、業務レンタカーだと思うのです。
さて、自動車産業の市場規模を調べようと色々試みましたが、台数は出て来ても金額の情報が中々得られませんでした。販売台数と平均単価の情報があったので、掛け合わせると、新車乗用車販売市場規模(軽含む)は、8.7兆円であることが分かります。
ただ販売台数の傾向は、過去5年は減少傾向で、国内マーケットを見ると新車販売に明るい兆しは無く、高齢者の免許返納問題も重なり、業界全体が大きな曲がり角にあることが分かってきました。
更に良くないのが、自動車産業が1960年代の高度経済成長を支えた日本の基幹産業であり、かつ輸出中心になっていることが、国内の変化への対応に遅れを生じさせている原因になっているように見えます。
クルマに潜む2つの不可解
一つ目の不可解は、前述のように、なぜ購入以外のクルマ保有の手段が長年生まれなかったのか?ということです。
そしてもう一つの不可解は、自動車の末路です。
新車で購入されたクルマを数年間乗り続け、次のクルマに乗り換える際に下取りに出します。下取りに出されたクルマは中古車となるわけです。中古車には中古車の価格を決めるオークションマーケットが存在しており、車種や年式・走行距離、色や傷や事故歴によって価格の相場が決められて、中古車として流通しています。
人気が無く、オークションで値段のつかないクルマはどうなるのか、ご存じでしょうか?
廃車となりスクラップになるのだそうです。
ところで、クルマの寿命は何によって決まるか?ご存じですか?
年数ではなく、走行距離だそうです。
業務レンタカーの社長に言わせると、「走行距離16万キロまでは大丈夫」、日本車の品質であれば走行距離16万キロまでであれば大きな故障やアクシデント無く走ることが出来ると言います。年式が古くても走行距離が短ければまだまだ活躍できる中古車だということです。
しかしオークションというのは非情にも人気の無いクルマに高い値段は付きません。またオークション手数料は落札金額にかかわらず1台5万円程度かかりますので、オークションで5万円の値が付きそうに無いクルマは、どんなに走行距離が短くても、廃車となりスクラップとなる運命だそうです。
地域貢献型SDGsビジネス
業務レンタカーは、このまだまだ走れるのに人気が無いだけの理由で廃車の運命となるクルマに、新しく活躍の場を与え、本来クルマが全うできるであろう16万キロのお役目をしっかり果たしてもらおうというビジネスなのです。
果たせる機能をしっかり果たしてもらう、SDGs的に言うと「つくる責任つかう責任」を全うするビジネスが、業務レンタカーというわけです。
確かに、まだまだ走れるのに廃車になるというのは、勿体ないというだけでは済まされない無駄が生じます。
その無駄に対処するのも、大きな社会的使命かと思います。
ただ売れれば良い、そういう時代は終わったことを誰もが知っています。
自動車産業の中に、エンドユーザーにとって保有する新しい手段、「買わなくても良い」を提供し、同時に、クルマの寿命を最大限に活用するSDGs発想の業務レンタカーは、地域の企業にとって、地域貢献型SDGsビジネスとして認知されていくことを予感します。
人生における二大買い物、家とクルマ
日本人が購入する人生で最も高価な買い物の一つであるクルマ。
8.7兆円の新車販売市場、4兆円の中古車販売市場、合計13兆円という巨大市場のうち、新しい所有のカタチの提案で、業務レンタカーがどれだけ奪取できるか?が今後の注目点であると思います。
動画
社長インタビューは、>> https://blog.assentia-hd.com/fc/rentacar3
業務レンタカービジネスについては >> https://blog.assentia-hd.com/fc/rentacar